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活動報告

【喫茶去】2/26国際文化会館にてR/GA社幹部カンファレンスでの茶の湯体験 (東京都港区)

20250226

ニューヨークに本社を構え、世界10カ国で事業を展開するグローバル企業R/GAは、2025年2月に3日間の幹部カンファレンスを開催し、各国から幹部が東京に集まりました。私たちは、その合間の日本文化体験の機会として、国際文化会館の講堂(建築家 前川國男の設計)に点前座を設え、茶の湯セッションを開催しました。


参加者には懐紙にお名前を筆書きし、一人ひとりにお渡したあと、お点前をご覧いただきながら、茶の湯の哲学や精神についてお話ししました。掛軸の意味や茶室における役割を紹介し、「和敬清寂」(調和・敬意・清浄・静寂)、「一期一会」(その瞬間を大切にすること)、「温故知新」(過去に学び、新たな知恵を得る)といった書の例を取り上げ、それぞれの背景や茶の湯との関わりについて解説しました。


「温故知新」という考え方は、R/GAの哲学とも通じ、茶の湯の歴史とも深く結びついていると思います。茶の文化は千利休以前から存在していましたが、利休はその精神と形式を洗練させ、新たな美意識を築き上げました。彼が確立した基準は、いまもなお受け継がれています。R/GAが変化を受け入れながらそれまでの常識を再定義し、新たな価値を生み出しているように、利休もまた、従来の茶の湯を再構築し、現在の茶の湯の礎を築いたのです。


参加者には、お土産として鳥獣戯画の柄の懐紙と、梅と雪輪の干菓子をお持ち帰りいただきました。鳥獣戯画は、12~13世紀に描かれた日本最古の漫画ともいわれる絵巻です。兎や蛙や猿などの動物が人間のように振る舞うユーモラスな場面が描かれ、遊び心の中にも風刺的な視点が込められています。日本の美意識や社会観を映し出す作品として、現代においても多くの人々に親しまれています。


茶の湯には欠かせない懐紙は、さまざまな用途に使える実用的な和紙です。現金を包んだり、紙皿、紙ナプキン、メモとしても使えますので、日常の中でもぜひ活用していただければと思います。

梅の干菓子は、厳しい冬を耐え、春の訪れを告げる梅の花が、生命力や再生の象徴であることから選びました。雪の結晶を独特のデザインで表した雪輪文様は、豊作や繁栄、長寿への願いが込められた縁起のよい意匠です。

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